某銀行の知り合いからランチにお誘い頂いたので、
僕の好きな食堂で中華そば。
仕事のストレスをため込まないよう自分から楽しいことを見つけようと、 「話をしたい人と昼飯を食べる会」を最近始めたんだそう。
この方は、困難に遭っても、抜け出すために様々な努力をする、
頭の良い素敵な人です。
銀行員といえば、東大法学部から第一勧銀に入行し、
銀行員として働きながら、
音楽家としても希有な才能を発揮し続けた小椋桂さん(77歳)が、
先週ラジオ番組で、自分の胸の内を吐露していました。
音楽活動だけで充分食えたにも関わらず、
銀行を辞めなかった理由について、小椋さんは、
「組織社会に入ると、みんなどうしても組織の価値観で動き始めちゃう。
それは一種の人間疎外、個の喪失という世界。
その病気に今の日本人のほとんどがかかっちゃってる。
「組織内で評価をされる人間」という行動をするように誰でもなっちゃう。
それがまさに病気なんですけどね。
自分では気づいていない人がほとんど。
自分も染まった。
けど自分は、組織内の存在でいながら、インサイドアウトサイダー、
つまり客観視できる人間でいようと思ってました。
組織の中にいることで自分がどうなるかを見極めて、
それを表現する表現者でいようと思っていたんです。
だから辞めなかった。
(銀行の合併問題のことを歌にして注意されたこともあった)
50歳の頃に、銀行内で観るべき物は全て見終わったな。
じゃあ、ここにいたらおかしくなるな、と思ったので銀行を辞めました。」
最近の歌に対しても小椋さんは手厳しい。
「最近の歌は1ヶ所聴くと次の展開が想像つくメロディーばかり。
そういうのを聴かされるのはつらいですね。
若い女の子が何人かで歌ってる歌は、申し訳ないですけど、
僕はまったく歌とは思っていません。
歌詞カードを読んでみると、何か言ってるようで、
何も言ってないんですね。寂しくなりますね。」
今年一杯で引退を決めた小椋さん。
昔は歌を作るのが楽しかったけれど、
今は頭の中が老化して、
歌を作るのが苦しくなったからなんだそう。
小椋桂さんが作る詞は、どれも文学的で美しかった。
彼の最新作であり最終作は、今の日本を憂う毒があります。